SBC6809ルーズキットの製作(中華HD63C09P編)

2018/05/02

 日立のCMOS LSIは、すべてeBayで調達しました。その中で心配なのは、やっぱりHD63C09Pです。基板の改造後、組み立てを行い、まずHD63C09Pからテストです。予想通りクロックが発振しません。 38pinの電圧を調べるとやはり5Vで、中身がHD63C09EPの証拠です。


eBayの出品者に返品クレーム(英語と写真で交渉)をしたところ、別の仕入れ先からの交換品を送ってくれるとのことになりました。交換品をしばらく待つ必要がありますが、待ってばかりではさびしいので、基板を追加改造してHD63C09PとHD63C09EPの両方に対応できるようにしました。


①基板へTSC(39pin)のGNDジャンパ追加

②E,Q信号発生モジュールの製作

 場所が限られていますので、小型の表面実装部品と1.27mmピッチの蛇の目基盤を使い、組立てましたが、これまたルーペを必要とする半田づけになりました。

 下記は、E,Q信号発生モジュールの回路と写真です。






③基板へE,Q信号発生モジュール用ソケット追加

 HD63C09EPを使う場合は、TSCをジャンパを有効にし、E,Q信号発生モジュールをソケットに差し込みます。下記が、追加改造後の基板と追加モジュールです。


(再クロール更新:2022/12/22)

SBC6809ルーズキットの製作(改造編)

2018/05/01

 最近SBC6809ルーズキットを知り、6809が懐かしく早速スイッチサイエンスさんから基板を購入しました。せっかく製作するので、ルーズキットを改造して機能・性能を強化し、日立のCMOS LSIで統一してみました。①RAM 32KB化②ROM 8KB×4ページ化③EEPROMプログラミング④ROM 28KB化⑤HD63C09P⑥3MHz動作が可能になります。


下記は、改造後の基盤です。





改造のポイントは下記内容ですが、銅箔カットはデザイン用カッターナイフとルーペで細かな作業になります。半田付時の再ショート防止のために、カット溝に尖がらした爪楊枝を使って、エポキシ接着剤をわずかに充填しました。


①32KB RAMの搭載(HM62256BLSP-10)

 ・RAM 1pin->GNDのカット、CPU A14->RAM 1pin

 ・RAM 26pin->VCCのカット、CPU A13->RAM 26pin

 ・74138 15pin->RAM 20pinのカット、CPU A15->RAM 20pin

②32KB ROM(HN27C256AG-10)と8KBページ切替で、4つのプログラムROMを搭載可能

 ・ROM A14信号を作成し、ショートジャンパで、GNDとCPU A14切替

 ・ROM 26pin->VCCのカット、ROM 26pinをショートジャンパで、GNDとCPU A13切替

③ページ切替なしで、最大28KBの連続ROM

 ・7400 9pin->GNDのカット、CPU A15->7400 9pin

 ・7400 10pin->GNDのカット、74138 11pin->7400 10pin

 ・74138 7pin->ROM 20pinのカット、7400 8pin->ROM 20pin

 ・74138 4pin->GNDのカット、CPU A12->74138 4pin

④EEPROM(HN58C256AP-10)搭載可能で、自己書き込み可能(後日、プログラム作成予定)

 ・ROM 1pin->VCCのカット、ROM 1pinをショートジャンパで、VCCとROM A14切替

 ・ROM 27pin->VCCのカット、ROM 27pinをショートジャンパで、RAM 27pinとROM A14切替

⑤HD63C09P搭載で3MHz動作

 ・水晶振動子をソケット化

⑥HD63B50P搭載し、READアクセスタイムを稼ぐために74AC138を使用、3MHz動作(実力)

 動作確認後、信号の遅延を測定し、タイミングマージンを測定したいと思います。


基板にピンヘッダーのための穴をピンバイスとドリル刃で開けます。ピンヘッダーは、エポキシ接着剤で基板に固定後、リード線を半田付けします。


変更部分の概略回路とジャンパー設定をまとめると、次のようになります。

(再クロール更新:2022/12/22)

アパマンハム「HFへの挑戦」~ノイズ対策:ノイズキャンセラーの自作(調整編)

2017/08/23

 組み立て後は、調整になります。


①アンプ部のゲイン調整

まず、RFアンプのゲインをVR9で、とりあえず+3dBに調整しました。次にノイズ信号系のゲインを調整します。ノイズアンテナの感度にもよりますが、今回はCISPR・FCCで良く使われる 直径60センチメートルの磁界ループアンテナ(~30MHz)を自作して用いましたので、比較的高いゲイン設定にしました。VR5を最大にした状態でVR3で最大ゲイン、VR5を最少にした状態でVR6で最少ゲインを設定します。最大で30dB程度になるはずです。


ノイズアンテナに適当な信号(たとえば7MHzの信号)を入力して、VR4の移相量の変化に対して、出力信号の変化が比較的少なくなるように、VR2を調整します。50Ω程度になると思います。


②キャリア検出感度調整

まず、CW出力を最小にします。FT-991のTUNEボタンを長押してFC-40をチューニングする状態にし、余裕をもってリレーが反応するように、C13とVR1を調整します。ログアンプがリレー切替ノイズを拾うことがある場合は、C12、C13を大きめの容量にする必要があるかもしれません。


③リレー遅延時間調整

キャリア検出からキャリア未検出状態になった後、適当な遅延時間(設計値は、約200mS)をVR7で調整します。


④PTT遅延時間調整

FT-991用のPTTアダプタとマイクを接続してPTTボタンを押し、PTT OUTの遅延時間(設計値は、約50mS)をVR8で調整します。


ノイズキャンセラーの効果は、ノイズアンテナの配置によって大きく変わります。基本は、メインアンテナとノイズの相関があり、ノイズを拾いやすい配置(設置角度・高さ)を見つける必要があります。メインアンテナとノイズアンテナの距離は、近寄りすぎても、遠すぎても良くないようです。試行錯誤が必要で、じっくり探すことで良い結果が得られます。


下記は、電源OFFで、ノイズキャンセラーが動作していない状態です。黄色部分は、外来ノイズです。(7MHz帯の交信信号が少ない時間帯でした)



電源投入後、移相量とゲインを調整し、ディップポイントを見つけます。下記のように、外来ノイズが低減できました。この例では、RFゲインが+3dBで、ノイズレベルが-11dB(Sメーター読み)ですので、都合14dB程度のS/Nの改善になるのではないかと思います。ノイズアンテナの設置チューニングがまだ十分にできていませんが、効果は出ています。



次は、画面の拡大です。



下記は、今回自作したノイズアンテナです。プラスチック段ボールと結束バンドで、箱を斜めに切断した形を作りました。重りを段ボール下部に置いて、ベランダの適当なところに自立できるようにしました。



しばらく試行錯誤して、効果・問題点など見極めたいと思います。参考にしていただければ幸いです。

(再クロール更新:2022/12/22)