SBC8080ルーズキットが紹介された時は、それだけではそれほど興味を引きませんでした。
ところが、たまたま懐かしいTK-80の記事を目にし、少し調べてみると、ZK-80やND8080など互換機が見つかりました。ZK-80は、安価ですが8080を使用していません。ND8080は、復刻版キットになっていますが、価格が高い難点があります。
そこで、SBC8080とのコラボでTK-80を実現できないかと考えました。
「復活!TK-80」など、資料を収集し、SBC8080回路図と比較をしました。TK-80のアドレス割り付け、システムタイミングの互換性を保つため、下記の改造が必要なことがわかりました。
・TK-80の8255アドレスをTK‐80マニュアルの記述から、F8-FBに割り当てるため、SBC8080の
8251アドレスデコーダを流用する
・WAITタイミングは、TK-80と同じ接続ができるように切替ジャンパを追加する
・TK-80では、INTをSTEP動作に使用するので、SBC8080の8251(RxRDY)割り込み出力を切断で
きるジャンパを追加する
・CPUクロックの水晶を18.432MHzに変更する
さらに、SBC6809ルーズキット製作時の改造項目も実施することにしました。
・EEPROM使用で、EPROM消去不要にできる
・ROMアドレスの分割で、機械語モード付きタイニーBASICやその他BASICを同時書き込みができる
・シリアルポートを115kbpsまで自動切替できる
さて、SBC8080を活用できることがわかったので、TK-80サブボードの回路設計に入りました。設計に当たっては、TK-80がTTLベースでしたが、HCMOSを前提に簡略化を行いました。
・LEDディスプレイのDMAアドレスは、83F8が競合する場合を考慮してFFF8に切り替えられるように
する
・TK-80では、RESET信号がアクティブ時にLED表示が一桁のみ表示する問題を回避するために
-MEMRを補正しているが、8255のPC7をHCMOSでプルダウン入力化によって、補正回路を
不要にし、簡略化する
・LEDの桁ドライブとセグメントドライブのタイミング差による残像表示を解消するため、ブランキング
期間を追加する
・ゲート数を少なくできる部分は、論理極性を最適化し、簡略化する
・CR部品の種類を少なくしたり、マニュアル通りのタイミングにならないCR定数を見直す
これが回路図(PDF)です。
LED表示関連で特記すべき部品は、基板の幅に合わせ幅40mmの4桁LEDと、ドライブ能力が高い74ACT573(データーバスがTTLの8228でドライブされているが、I<sub>OH</sub>が少なくて済むので74AC573でも可)です。
TK-80サブボードの製作には、蛇の目基板に手配線で行うことにしました。(基板製作もしたいのではありますが)
まず、使用する部品を大まか並べると、SBC8080ボードの大きさに収まらないことがわかりました。次にボード間の接続を考える必要があります。SBC-IOを利用することも考えましたが、デザイン的にしっくりこなかったため、何か良い方法が無いか検討しました。その結果、秋月電子の「ピンソケット 2×20(40P) ラズパイ用スタッキングコネクタ」を見つけました。これなら、用途に応じてスタッキング順序を自由に変えられるため、TK-80サブボードが少し大きくても収まり・デザインが良いとともに、信号確認が容易になります。
下記がイメージ図です。