今回は、蛇の目基板に手配線で製作しますので、秋月電子の「両面スルホール・ガラス・ユニバーサル基板Aタイプ」から、幅はSBCサイズ、奥行きは、118mmに切り出すことにします。位置決めは、スタッキングコネクタをSBCボードと串刺しにし、切り出し線、取り付け穴決めを行い、加工をしました。
次にキーボードですが、ラベルキャップ付タクトスイッチの値段が25個そろえると結構高く、大きなピン穴が必要で、取り付け基板も作成が大変そうでしたので、割り切ってZK-80を購入して、キーボード部のみを流用しました。(残りは、何かに使いたいと思います)
①TK-80サブボードの配線
例のごとく、ソケットを配置・仮止めを行い、GNDと5Vラインを先にスズめっき線で配線し、パスコンも取り付けます。各ICに近くのCRを取り付け、ローカルな配線から接続していきます。最後に広域の配線を行うと、配線がしやすくなります。
一通りの配線チェックを行った後、TK-80サブボードのICを指さずに、SBC8080の上にTK-80 SUBボードを積み、SBC8080 CPUボードとSUBボードからTK-80サブボードへ必要な追加信号を接続し、正常に立ち上がることを確かめます。これで、ショート系の誤配線が無いことを確認できます。
次に、DMAアドレスを83F8、モードスイッチをAUTOにし、データバスに接続されている8255、74ACT573以外のICを差し込み、正常に立ち上がることを確かめます。最後は、8255、74ACT573を差し込み、正常に立ち上がることを確かめます。
下記は、配線済みのTK-80サブボードです。
機械語モード付きタイニーBASICからMONコマンドでモニターに入り、下記のプログラムで、LED表示をONします。
8000
MVI A,92
OUT FB
MVI A,80
OUT FA
RET
EXEC 8000
次に、下記により、指定されたLEDのセグメントが表示されればOKです。
83F8
DEFINE 01,02,04,08,10,20,40,80
以上のように問題なければ、CMT用の発振回路、DMA用NE555の出力波形を確認し、問題ないことを確かめます。この時点で、LEDが結構明るく、LEDセグメントドライバの電流が点灯時32mA程度となっており、気になるならR30~R37の電流制限抵抗値を増やすと良いかもしれません。
②TK-80モニタの動作確認
「TK-80ユーザーマニュアル」の「モニタ・アセンブル・リスト」からバイナリを抜出すと、「0」が「O」になっている部分が見つかりました。とりあえず修正後、ROMに書き込み立ち上げると、LEDの表示が「0000 0004」と表示はするものの、暴走しているようでした。
配線ミスを再度行ったところ、未配線が見つかり、修正しましたが、表示は変わりませんでした。このマニュアルの誤植について、指摘があったホームページをみつけましたので、全て反映しましたが、まだ駄目でした。そこで、「機械語モード付きタイニーBASIC」に戻し、TK-80モニタを逆アセンブルして、ソースコードとの比較をせっせと行うと、出てきました。すべてを修正すると、「0000 0000」の表示がされ、キーボードが動作するようになりました。
誤植ヵ所は、
0012 000A D3F8 OUT OFBH ; PROGRAM TO 8255
0057 006E C9 DAD B
0271 01CD E6FO0 ANI OFOH ; MASK 'F0'
0274 01D1 OF RRC
0275 01D2 OF RRC ; SHIFT RIGHT 4 BITS
0296 01E9 5C06 SEGD: DB 5CH,06H,5EH,4FH,66H,6DH
5B4F
666D
0360 024E D8F8 IN 0F8H ; KEY SCAN 0--->7
0426 02BC OF RRC ; DATA SHIFT
下記が、動作中のSBC8080+TK-80サブボードです。コンパクトに実現できました。
SBC8080 CPUボードのREADYヘッダーをTK-80接続、同様にSBC8080 SUBボードのINTヘッダーを切断すると、STEP動作も問題なく動作しました。CMT出力も問題なさそうでした。
最後に、下記のような内容を書き込み集合ROMを作成します。
0000-3FFF PTBEXSA
4000-5FFF MSBAS80
6000-7FFF TK-80 MONITOR
これで、ジャンパ切替のみで、SBC8080、TK-80両方が楽しめます。参考にしていただければと思います。
(再クロール更新:2022/12/22)