SBC6809ルーズキットの製作(リセット不良対策編)

2018/05/08

 SBC6809を楽しんでいると、電源オンしてもROMから立ち上がらない場合が時々あることがありました。気になったので調べてみると、電源スイッチを切っても電源電圧が下がり切っていないことがわかりました。さらに調べると、USB-Serial BridgeのTXDから電源にHD63B50Pの入力寄生ダイオード経由で18mA程度の電流が回り込みしていました。


今回、全面的にCMOS化したため、わずかな消費電流がゆえに電源電圧が下がり切っていないようです。このため、CPUのリセット回路コンデンサーの電圧が下がりきれず、本来の電源が投入されてもCPUリセットがかからない状態が発生したと考えられます。


CMOSならではの問題です。NMOSのMC6850Pを使用した場合は、入力寄生ダイオードがないため、発生しないはずです。また、CMOSのHD6350Pを使用した場合でも、CPUがMC6809やTTLロジックを使っていれば、消費電流が大きいため、問題が起きにくいと考えられますが、電流が増えるため、USB-Serial Bridge側へのストレスが若干心配になります。銅箔カットが必要ですが、HD6350PのRXD入力に1K程度の直列抵抗を入れる対策も一案です。


SBC6809の電源を入れたのち、USB-Serial Bridgeに接続すれば良いのですが、ROM立ち上げメッセージを表示したい場合は、問題です。このため、対策としてダイオードD1を電圧検出器に交換することで、解決できました。良くある問題ですが、またレトロっぽくなくなりました。電圧検出器は、たまたま手持ちのSEIKO製S80830CNY(3.0V検出)を使用しました。


下記のような回路に改造することになりますが、またピンバイスとドリル刃の登場です。D1の電源側の隣に穴をあけ、S80830CNYのVSSをこの穴を通して、GNDランドにはんだ付けすれば、D1の置き換えができます。調子が良くなりました。


(再クロール更新:2022/12/22)