アパマンハム「HFへの挑戦」~都市雑音の洗礼

2017/08/19

 今回は、FT-991M+FC-40の組み合わせで、設置前ループアンテナの受信評価を行いました。ベランダに簡易設置して、チューニングが取れるかを確認しました。1.8MHz帯、3.5MHz帯、7MHz帯、18MHz帯、21MHz帯、24MHz帯、29MHz帯、50MHz帯で問題なくチューニングが取れました。ここまでは、ルンルンでしたが、いざ受信すると、都市雑音の洗礼が待っていました。


特にひどいのは、7MHz帯で、まず短波ラジオ(ELPA ER-C57WR)で犯人を捜し、電源OFFしてSメーターで相関を確認しました。主犯格はVDSLモデムと冷蔵庫でした。AMP1設定でS9~S9+10dBと雑音の嵐状態でした。ループアンテナのゲインが高いようで、FT-991MのSメーター読みで入力電圧がVDSLモデムから約100uV、冷蔵庫から約300uVと散々です。


まず、VDSLモデムからのノイズ対策です。VDSLモデムは、ITU-T G.993.2(通称VDSL2)規格のモデムでした。ITUの規格書を読むと、アマチュア無線への妨害対策のため、ノッチ対策が推奨されていましたが、VDSLモデムラインに-10dB観測プローブを自作して観測したところ、ノッチ対策はされておらず、30MHzまでのアマチュア無線周波数帯が堂々と使用されていました。VDSLモデムラインは、電話線(ツイスト線)で、対称性が保たれていれば、障害はかなり抑制されますが、やはり漏れはあるようです。


社団法人「情報通信技術委員会」が業界として定めた標準規格「メタリック加入者伝送システムのスペクトル管理」によれば、ノッチ対策がされることになっているにも関わらず、ベストエフォートの伝送帯域が約10%ダウンするため、伝送帯域優先で、使用されているようです。この点をNTT西に書面で改善をお願いしました。サポートの方が現場確認に来ていただき、その書面をお渡ししました。何週間たった後、自室のみのノッチ対策をマンション内の集合装置に設定変更してくれました。他室は難しいとのことでした。


下記は、対策前の-10dB観測プローブによるモデムラインの7MHz帯のスペクトルです。


次は、対策後のモデムラインの7MHz帯のスペクトルで、約24dBの減衰がありました。合わせて、インターンネット接続機器(VDSLモデム・ルーター・WiFiアクセスポイント)のACアダプターにフェライトコア(FT114-43)に13ターンの対策を行い、電話線の出口直前にも同様にフェライトコアに13ターンして信号漏れ対策を行った結果、FT-991MのノイズレベルがS1~S3程度まで改善し、普通のノイズレベルにできました。


次は、冷蔵庫です。輻射ノイズは、微弱無線局のレベルですが、メーカーのPanasonicにクレームしても、製品として問題ないので(法令に触れているわけでないとの暗黙の回答)、対策はできないとのことでした。後日、「静岡県西部ハムの祭典」に出展していた総務省東海総合通信局の電波監視車両の担当者に相談しましたが、自分でアースなど対策するしかないとのことでした。そこで、ループアンテナの設置後、必要に応じて、対策をすることにしました。冷蔵庫ドアの押ボタン部分からの輻射が大きかったため、電気的に浮いていたドア部分を本体アースに落とすためのビス・アース平織線を用意しておきました。

(再クロール更新:2022/12/22)

アパマンハム「HFへの挑戦」~多巻きスモールループ(MLA)の製作

2017/08/18

 144MHz帯、430MHz帯は、ベランダにモービル用のアンテナを設置して、容易に開局できましたが、HF帯の開局は、アパマンハムにとっては、ハードルがかなり高くなります。


今回は、しばらくぶりにブログを更新します。


マンションのベランダから長く大きいアンテナを出すと、他室へかなりの違和感を与えてしまいます。このため、コンパクトなHFアンテナとして、多巻きスモールループにターゲットを絞りました。


多巻きスモールループについては、MK-4A、MK-4Bなど、横浜のJA1QOJ村吉さんが有名です。今回はこのモデルを参考に、自作に取り組みました。


いずれも、20m前後のループエレメントからなっているため、加工の容易性からエアコン用銅パイプを使うことにしました。タイミング良くオークションで、「桃陽電線製エアコン配管用被覆銅管シングルダイヤSD-420 20m」が安く出品されていたので、落札し、活用しました。メリットは、アルミより重量がありますが、加工が容易であること、半田付けができること、被服層があるので、錆対策が不要であることです。


MK-4A、MK-4Bを参考に巻き数は6回と決めましたが、問題は、ループの直径をどれくらいにしたらよいかでした。


アンテナシミュレータを使うことも考えましたが、簡単なモデルを用いました。各HF周波数帯において、エレメント上の電流分布を6回巻き分ベクトル加算し、各巻線間で打消しが少なく効率が良い直径を求めました。特に、7MHz帯と50MHz帯の効率を重視して確認したところ、直径102センチメートル、全長20.8メートル(接続部分に同軸ケーブルを追加)、6.25回巻きとしました。


同様の計算をMK-4A、MK-4Bについても確かめましたが、3.5MHz帯を除けば、MK-4Bより効率がよさそうな結果が出ました。


水道用パイプを加工して、結束バンドで組み立てました。


(再クロール更新:2022/12/22)


リターンロスブリッジの製作

2016/06/20

 HFアンテナ製作の前段階として、リターンロスブリッジを製作しました。

ケースは、タカチ製のTD463Nを用い、中敷に0.5mmの銅板を使い、ウレタンテープの上に、FT-37-43に0.8D2Vを10回巻きしたものを直列に配置してあります。なお、ブリッジ中の50Ω抵抗は、100Ωチップ抵抗(秋月)を並列にして使用しています。リファレンス抵抗は、BNCコネクタ経由で50Ωのダミー抵抗を使用しています。今回は、HF帯を意識していますが、500MHz位まで使えるのではないかと思います。

下記が、内部構造です。


下記が、0-60MHzまでのオープンと50Ω整合時の特性で、HF帯で40dB程度稼いでいます。

(ご参考まで)



下記は、0-500MHzまでのオープンと50Ω整合時の特性で、250MHzで、約30dB稼いでいます。

(ご参考まで)


(再クロール更新:2022/12/22)